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 優勝候補のドイツ代表がベスト8に進出したが、内容は大苦戦だった。
この日のアルジェリア代表は前線に一人も選手を残さず、まずは守備を固めて、
ボールを奪ったらFWスリマニ、MFフェグリのスピードを生かすカウンター攻撃を
徹底してきた。

 アルジェリアの選手全員が自陣に引いて守っているので、ドイツが押し上げるためには
DFラインをセンターサークルを越えるところまで高くせざるをえない。しかし、ドイツのCB
2人はスピードに不安がある。そのため、スリマニやフェグリにDFラインの裏を取られ、
決定的ピンチを何度もつくってしまった。

 ドイツの弱点を突いたアルジェリアの戦術にまんまとハマったといっていい。それを
救ったのがGKノイアー(28)だった。

 CBが相手に振り切られても、積極的にペナルティーエリアの外まで出てスライディングで
クリアするシーンが何度もあったし、ヘディングでピンチを逃れた場面もあった。この試合の
MVPといっていい。

■もうひとりのDFとしての役割

 もともと、ノイアーはフィールドプレーヤーとしても高い能力を持ち、ドイツCBと比べても
足元の技術レベルは高い。そうしたフィールドプレヤーとしての能力がベースにあるからこそ、
思い切って前に出ていって守備ができるのである。アルジェリア戦のようなプレーができるGKは、
世界広しといえどもノイアーしかいない。

 技術があるので、味方DFもちゅうちょなくノイアーにバックパスを出せる。4バックのドイツは、
両SBが攻撃参加するとDFが2人になってしまう。しかし、ドイツはノイアーが“もうひとりのDF”
として働けるので、攻撃に人数をかけることができる。

 本来なら、ここまでノイアーが目立つ試合をしてしまってはいけないのだが、それでもドイツが
最後に勝ちをもぎ取ったのも、これからW杯を勝ち進んでいくにも、ノイアーの存在が欠かせない。

(鈴木良平/ドイツサッカー協会公認S級コーチ)

日刊ゲンダイ
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